実力制名人

将棋の競技について

推薦制名人と実力制名人位

江戸時代の家元制と推薦制 江戸時代には、芸事や学問の伝授において、家元制が盛んでした。これは、特定の流派や家系の当主が、伝統技芸の継承と伝授を独占する仕組みです。家元は、弟子に秘伝を授ける代わりに、彼らの芸事の質を管理し、その名声を高める役割を担っていました。 一方、江戸中期以降には、推薦制と呼ばれる、新たな仕組みが生まれました。これは、家元制とは異なり、流派や家系に属さない芸人や学者が、優秀な人物を推薦することで、その名声を高める制度です。推薦された人物は、家元と同じような権威を持ち、弟子を育成し、芸事の普及に努めました。 この推薦制は、家元制の閉鎖性を打破し、才能ある人物が活躍する場を広げました。また、芸事の質の向上にもつながり、江戸時代の文化の繁栄に貢献しました。
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将棋の用語「実力制名人」の意味と歴史

-名人戦の変遷- 将棋界最高峰の棋戦である名人戦は、長い歴史の中で変遷を遂げてきた。 当初、名人戦は江戸時代に「名人」の称号を持つ棋士が他流派の棋士と対局して腕を競うものであった。しかし、明治時代末期に順位戦制度が導入されると、名人戦もこれに準拠するようになる。 1947年には全日本選手権名人戦が創設され、全棋士が参加できるようになった。その後、1950年に名人位が創設され、毎年開催される名人戦の優勝者に授与されるようになった。 1980年代に入ると、名人戦はタイトル戦の最上位に位置づけられ、他のタイトル戦の優勝者が挑戦者となる方式に改められた。現在でも、名人戦は将棋界の中で最も権威ある棋戦の一つであり続けている。