囲碁の「準名人」
囲碁界において、「準名人」という称号が誕生した背景には、興味深い歴史があります。この称号は、名人戦の予選を勝ち抜いたものの、名人位獲得には届かなかった棋士に対して授けられるものでした。
準名人という呼称が初めて使われたのは、1924年の「第1回名人戦」です。この名人戦では、後に名人となる本因坊秀哉が優勝を収めましたが、準優勝の坂田栄男に対して「準名人」の称号が与えられました。
その後、準名人戦は名人戦の予選大会として毎年開催されるようになり、優勝者には「準名人」の称号が与えられる伝統が確立しました。この称号は、将来的に名人位を狙う有力棋士の登竜門となり、タイトル戦への挑戦権がかかった重要な大会として位置づけられるようになりました。