囲碁用語「ハカす」のルーツ
かつての囲碁会所では、入り口に履物を脱ぐための門が設けられていました。この門から脱いだ下駄は、古くは「蹴脱(けと)」と呼ばれ、後に「下駄」と呼ばれるようになりました。下駄は、持ち主を示すために、裏に名前を書いておいたのです。
囲碁会のルールでは、対局時に相手から石を取って自分の石に組み込むことを「ハカす」と呼びます。この「ハカす」という用語は、下駄の「蹴脱」に由来しています。下駄を脱ぐときには、足を上に上げて蹴り上げる動作をします。この動作が、石を組み込む「ハカす」という動作に似ていることから、「ハカす」という用語が生まれたと考えられています。