将棋用語『陣形・戦法の隠語』
居飛穴(いびしゃあなぐま)
居飛穴は、居飛車(いびしゃ)が序盤から雁木(がんぎ)に組んだ陣形です。雁木とは、二段目の桂馬と香車によって角道と飛車道を塞ぎ、囲いとする形です。居飛穴では、この雁木に陣取り、居飛車穴熊と名付けられました。
居飛穴は、陣頭指揮を司どる金銀を堅く組み、相手玉の攻め筋を遮断します。また、桂馬(けいま)が飛車道を利かせていて、接近してくる相手の駒を牽制することができます。居飛穴は堅固な受けで知られ、なかなか崩すことができません。
しかし、居飛穴には弱点もあります。それは、歩(ふ)を多く消費するため、攻めに転じた際に駒不足になりやすいことと、玉が雁木に囲われているため、相手からの急襲を受けやすいことです。一方、居飛穴は序盤から安定した陣形を築くことができ、攻め駒の損失も少ないので、初心者のうちは使い勝手の良い陣形といえます。