将棋の『先後同型』とは？意味と実例をわかりやすく

将棋の『先後同型』とは？意味と実例をわかりやすく

先後同型の定義と簡単な説明

将棋における先後同型とは、先手が指した手をそのまま後手が「同」の形で指し返すことを指します。これを繰り返すことで、同じ局面が何度も続ることになります。将棋のルールでは、同一局面が4回連続発生すると「千日手」となって引き分けとなります。先後同型は、この千日手を狙って仕掛ける戦術の一つです。

先後同型の仕組み

-先後同型の仕組み-

将棋における先後同型とは、後手番が、先手番の指し手を順番どおりに繰り返すことで発生する局面のことです。先手番が手順を繰り返すと、駒の配置が同じになり、駒の動きが限定されてしまいます。

先後同型の仕組みを理解するために、簡単な例を挙げましょう。先手番が歩を2七に指した場合、後手番は同じ3八に歩を指します。すると、先手番が歩を1八に、後手番が3七に指すことになります。この手順を繰り返すと、両者の駒の配置がまったく同じになり、先後同型となります。

先後同型の例

先後同型の代表的な例として、将棋の定跡における「居飛車穴熊」があります。居飛車穴熊とは、後手が先手の飛車先を突いた場合に、先手が居飛車で中央を固め、穴熊のような陣形を作り出す戦法です。この戦法では、先手は後手が仕掛けにくい陣形を作ることができ、また後手が仕掛けたとしても、先手が先手で対応できるため、手堅く戦えます。

先後同型の戦略的意義

先後同型の戦略的意義

先後同型は、盤面が同一になるため、先手と後手の違いが消滅します。これにより後手は先手のリードを取り戻し、先手のアドバンテージを相殺できます。特に序盤では、駒組の差が小さく、先後同型が効果的です。また、自玉を囲う要所で先後同型を利用すると、互いの玉の安全性が確保され、攻防の均衡が保たれます。

中盤以降でも、形勢が膠着したり、駒損が発生したりした場合は、先後同型で盤面をリフレッシュして戦局を打開することができます。互いの駒を交換し合うことで、複雑な局面が解消され、わかりやすい形勢になります。

先後同型は戦略的に非常に重要なテクニックであり、プロ棋士も頻繁に用います。盤面を理解し、先後同型の可能性を考慮することが、将棋のレベルアップには欠かせません。