将棋の珍用語『一人千日手』徹底解説!
将棋と囲碁が大好き
先生、将棋の『一人千日手』について教えてください。
将棋と囲碁が大好き
一人千日手とは、対局者のうち一方だけが同じ手順を繰り返している状態のことだよ。相手の様子をうかがっているんだよ。
将棋と囲碁が大好き
なるほど、相手の様子を見て、隙をうかがっているのですね。
将棋と囲碁が大好き
そういうことだね。ただし、あまりに長く同じ手順を繰り返すと『反復千日手』となって引き分けになってしまうよ。
一人千日手とは。
将棋では、「一人千日手」といって、一方のプレイヤーだけが同じ手を繰り返し、相手の出方をうかがう状況があります。
一人千日手が成立する条件
一人千日手とは、「対局者が交互に同じ手を繰り返し、最終的に両者の駒がすべて盤上から消えるまで続く、引き分けの一種」です。この特殊な千日手が成立するにはいくつかの条件があります。
まず、両方の対局者が同一の手を連続して3回以上繰り返すことが必要です。また、繰り返される手は、お互いに王手をかけている手または王手回避の手に限られます。さらに、駒が盤上にある状態で、両方の対局者がパスをしなければならないことも条件です。これらの条件をすべて満たすと、一人千日手が成立し、両者が引き分けとなります。
一人千日手の効果
-一人千日手の効果-
一人千日手は、ルール上は引き分けとなりますが、対局者の心理状態に大きな影響を与える可能性があります。一人千日手をする側は、気持ちを切り替えて再スタートできるため、心理的なアドバンテージを得られます。一方、相手側は、優位な展開から引き分けに持ち込まれたことで、精神的に動揺することがあります。また、時間が経つにつれて、一人千日手にする側が有利になる傾向があります。なぜなら、時間の経過とともに、相手側の集中力が低下したり、ミスを犯しやすくなったりするからです。
一人千日手と戦略
一人千日手は、将棋で引き分けの一種で、双方が同じ手順を連続して3回繰り返すと成立します。この手順は、王手の回避や駒得のために使われます。
戦略として、一人千日手を狙うことで、不利な局面を打開したり、引き分けに持ち込んだりすることができます。例えば、相手の攻撃を避けながら、自陣の駒を強化して優位に立つために、敢えて一人千日手になる場合もあります。また、自玉が詰みに近い場合でも、一人千日手を狙うことで時間を稼ぎ、逆転の糸口を探ることもできます。
実戦での一人千日手
実戦での一人千日手
将棋の実戦において、一人千日手が発生するケースは非常に稀ですが、実際に起こった例があります。最も有名な場面は、1971年の第15期王座戦で、大山康晴と有吉道夫の対局です。大山は優勢に進めていましたが、終盤に一手指し違えて、行き詰まりが生じました。有吉は自らも詰み筋がないことを確認し、一人千日手に持ち込みました。この対局は引き分けとなり、大山が王座を防衛しました。また、2005年の第46期棋聖戦でも、森内俊之と羽生善治の対局で一人千日手が発生しています。この対局も引き分けとなりました。