将棋の「指し込み制」とは？王将戦で採用されていた制度

将棋の「指し込み制」とは？王将戦で採用されていた制度

指し込み制のルール

指し込み制のルールはその名の通り、指し込みが行われた対局を指します。指し込みとは、対局者に勝ち越しの可能性がなくなった場合に、盤面を整理して再戦する制度です。ただし、永世称号戦である王将戦では、指し込み制は第7期（1951年）のみ採用され、その後は廃止されました。

指し込み制のもとでは、1局目で敗れた挑戦者は、2局目で先手番になると同時に、駒得の手駒を盤面に追加して再戦します。駒得の手駒は、対局者によってあらかじめ決められたもので、勝敗の行方に大きな影響を及ぼしました。ただし、指し込みで負けた挑戦者は、タイトルを奪還することはできませんでした。

指し込み制が採用されていた王将戦

指し込み制が採用されていた王将戦

将棋の「指し込み制」は、王将戦において1963年から1999年まで採用されていた制度である。この制度では、挑戦者と前年王将が同条件でタイトルを争い、挑戦者が勝利した場合のみタイトルを獲得できるというルールが定められていた。王将は連覇するたびに指し込みを受ける権利が与えられ、最大3回まで指し込み制でタイトルを防衛することが可能だった。指し込み制の導入により、王将が長期政権を築くことが容易になり、王将戦に安定感をもたらした。

指し込み制の課題

指し込み制の課題

指し込み制は、順位戦と王位戦以外のタイトル戦で実施されていたが、いくつかの課題があった。1つは棋士の負担の問題だ。タイトル戦は非常に過酷な戦いであり、指し込み制の下では、1日に2局指すこともあった。これにより、棋士の健康やコンディションを損なう恐れがあった。

もう1つの課題は、対戦順序が固定化されることだった。指し込み制では、1局目が終わってから2局目が指されるため、対戦順序が限られてしまう。これにより、棋士が特定の対戦相手を得意とする場合に有利になり、番勝負の公平性が損なわれる可能性があった。さらに、対戦順序が固定化されると、過去の対戦結果が今後の戦略に影響を与えるようになり、棋士が新しい戦法に挑戦しづらくなるという指摘もあった。

指し込み制の意義

「指し込み制」は、王将戦で行われていた興味深い制度です。このシステムの大きな意義は、タイトルホルダーに有利な条件を与えることにありました。タイトルホルダーは、タイトル戦第1局が引き分けに終わった場合、第2局以降を有利に進める一手「指し込み手」を宣言できる権限を持っていました。この手は制限付きで、タイトルホルダーにとって有利な一手とされていました。これにより、タイトルホルダーはタイトル防衛に有利な状況を作り出すことができ、連勝記録の継続や、王将位の長期保持につながりました。