泰将棋:個性的な駒とルールをもつ古代の将棋
将棋と囲碁が大好き
『泰将棋』について教えてください。
将棋と囲碁が大好き
『泰将棋』は、盤が25×25、駒が93種で敵味方合わせて354枚ある古将棋の一種です。
将棋と囲碁が大好き
自陣や敵陣の概念がないんですね。駒を取ると成るんですか?
将棋と囲碁が大好き
そうです。敵駒を取ると強制的に成ります。また、玉将の代わりに自在天王という強力な駒が採用されています。
泰将棋とは。
古将棋である「泰将棋」は、25×25の盤面で、93種類の駒が354枚使われる将棋です。敵味方の区別はなく、相手の駒を取ると強制的に成駒になります。玉将はなく、代わりに「自在天王」という強力な駒が配置されています。また、「鉤行」や「摩𩹄(まかつ)」などの特に強力な駒もあります。
盤面の広さと駒数の多さ
泰将棋の盤面は、通常の将棋の約2.5倍の広さです。81マスではなく、169マスあり、縦横ともに13マスで構成されています。この広大な盤面は、より多様な戦術と戦略を可能にします。
さらに、泰将棋は、通常の将棋の16駒とは対照的に、32駒を使用します。これらの追加の駒には、通常の金将、銀将、歩兵などの駒に加えて、攻守に特化した特殊な駒が含まれています。例えば、「飛牛」は縦横に4マス進め、「角行」は斜めに8マス進むことができます。この多数の駒により、ゲームはより複雑かつ予測不可能なものになります。
玉将の代わりにある強力な駒:自在天王
自在天王は、泰将棋における玉将に対応する駒だ。玉将と同様に王将を詰ませることがゲームの最終目標となるが、その力は玉将をはるかに超える。自在天王は2マスの方向に自由に動くことができるため、玉将よりも機動性に優れ、敵の攻撃から逃れやすい。また、飛車、角行、桂馬などの他の駒の動きを1回だけコピーできるという特殊能力を持っている。この能力により、自在天王は盤面上でさまざまな役割を担うことができ、敵を翻弄することができる。
他の特徴的な駒:鉤行と摩𩹄
鉤行(こうぎょう)は、泰将棋にしかない独創的な駒で、前またはサイドに1マスずつ進むことができます。この独特な動きにより、鉤行は見通しを遮らずに敵陣に侵入したり、相手の駒を横から挟み撃ちしたりすることが可能になります。
もう一つの興味深い駒が摩𩹄(まぎょく)です。これは相手の駒を自分の陣地に引き入れることができる特殊能力を持っています。摩𩹄が相手の駒に隣接すると、強制的に自分の陣地に向かって1マス移動させます。この能力により、摩𩹄は相手の防御線を突破したり、強力な駒を自分の駒の安全圏に引き入れたりすることができます。
泰将棋の歴史と変遷
泰将棋は、平安時代に成立したとされる、古代将棋の一種です。平安時代の文献『春日権現験記』に、「泰将棋、陣車、走射、象戯」とある記述があり、この頃にはすでに遊ばれていたと考えられています。その後、室町時代になると、泰将棋は「大将棋」の原型として発展し、さらに江戸時代には「中将棋」が考案されました。中将棋は泰将棋の駒やルールを一部簡略化したものであり、現代で広く普及している将棋の基礎となっています。