囲碁用語「鬼手」とは?
将棋と囲碁が大好き
囲碁の「鬼手」という言葉について教えてください。
将棋と囲碁が大好き
「鬼手」とは、相手の思惑を予測して予想外の鋭い手を打つことを指します。相手の予想を逸脱した、相手を圧倒するような手のことを「鬼手」と呼びます。
将棋と囲碁が大好き
なるほど。相手の意表を突き、優位な形を作るということですね。
将棋と囲碁が大好き
その通りです。思いもよらない手が、ゲームの流れを一気に変える可能性があるのです。
鬼手とは。
「囲碁用語の『鬼手』とは、相手の不意を突いて腹に刺さるような鋭い手を指す。白1のツケは、まさにそんな鬼手だ。
白1で白a、黒bと続くと、白cに黒dが厳しい。黒が2で受けると、白は3・5と決める。黒が6と出ても、白1が利いて7で何でもない形だ。黒が2で反発すると、白3・5は鋭い手順。白は11まで先手で締め付けて13へ回る。黒aの狙いも封じ、白はこれ以上ないサバキを得て満足できる。坂田栄男名誉本因坊の歴史に残る、まさに鬼手と言える一手だ。」
鬼手の定義
囲碁の「鬼手」とは、相手のミスに付け込んで、劇的に有利な手を指すことを指します。この用語は、一見すると平凡に見える手でも、相手を徹底的に打ち負かす結果につながることに由来しています。 鬼手は、通常、相手が読んでいない、または想定していない手で、圧倒的な影響を与えます。一見すると、一見したところでは単純な手に見えても、その手の真の価値は、それがもたらす長期的な影響に隠れています。
坂田栄男名誉本因坊の鬼手
鬼手とは、囲碁における極めて優れた手のことです。ここでは、坂田栄男名誉本因坊が放った名高い鬼手を紹介します。
1963年の第10期名人戦、坂田は相手が巧みに作ったコウを利用して逆転勝利を収めました。このとき、坂田が打った手は「コウ材を捨て、駒を取る手」として後世に語り継がれています。この手の巧みさは、相手のコウ材を無価値にし、自らの駒を強化することにより、優位な局面を作り出したのです。このコウ材を捨てて駒を取る手は、「坂田の鬼手」として、囲碁史上でも伝説的な一手に数えられています。
鬼手の応用
囲碁用語の「鬼手」は、盤上で思いがけない妙手を意味する。特に、相手の石を効率的に取り除きながら、自分の陣地を拡大する手筋を指すことが多い。この鬼手は、棋士の経験と直観が融合した芸術品のようなもので、盤上の状況を瞬時に理解し、最善の一手を導きだす必要がある。
そのような鬼手の応用において、重要なのは相手の石をどのように取り除くかという戦略である。囲碁では、相手の石を取るには、その石を「アテ」たり、「ハネ」たり、「サバキ」たりする方法がある。これらの技法を巧みに組み合わせ、相手の石を効率的に取り去り、自分の陣地を大きくすることができる。さらに、鬼手を用いる際には、相手の反応を予測し、それに対応できるよう準備しておくことが大切である。
鬼手の特徴
鬼手の特徴は、その驚異的な効果と、予想外の展開にあります。まず、鬼手は序盤から中盤にかけて出現することが多く、その時点では、全体的な有利不利がはっきりしていない場合があります。しかし、鬼手が出現すると、一気に戦略的状況を覆し、対戦相手を圧倒的な優位に立たせます。
また、鬼手は、盤面上の細かな変化に依存することが多く、一見すると平凡な手に見えても、実は思わぬ効果をもたらすことがあります。そのため、相手の狙いを正確に読むことが難しく、対処が非常に困難になります。さらに、鬼手は、相手の計算を完全に崩し、思いがけない展開を生み出します。そのため、対戦相手は、突然の局面の変化に戸惑い、対応に苦慮することになります。
鬼手の実戦例
実戦における鬼手
囲碁の対戦では、巧妙で予想外な一手が勝利への鍵となることがあります。その中でも「鬼手」は、ゲームの流れを大きく変えるほどの、驚くべき妙手のことです。
歴史に残る名局では、鬼手が勝負の行方を左右してきました。例えば、1997年の第10回富士通杯決勝戦で、趙治勲が繰り出した「大斜め」は、それまで優位だった劉昌赫を逆転するほどの鬼手でした。この一手で趙治勲は、劉昌赫の陣地を分断し、最終的に勝利を収めました。
また、2016年の第23回LG杯世界棋王戦決勝戦では、柯潔が「天元」に打った手が、朴廷桓の堅牢な陣形を突破する鬼手となりました。この一手で、柯潔は朴廷桓の盤面を分断して優位に立ち、最終的に勝利を手にしました。